同志社大学 社会・芸術国際研究センター


概要

近代以後の国際的な規模でおこなわれる社会的創造に関する学際的研究を促進し、かつアーティスト、大学研究者と市民学生の直接的参加者との交流を活発化することを研究目的としました。

アーティスト・アドヴァイザーとして現パリ国立エコール・ド・ボザール教授(前東京芸術大学教授)の川俣正氏をお迎えしました。同氏には主席研究員として本センターの活動に加わっていただきました。


 

岡林洋『KAWAMATA 川俣正――アーティストの個人的公共事業』


活動

2010.4.16(金)16:45 - 18:15

カトリーヌ・グルー講演会「社会に向かう現代アート」

同志社大学今出川校地 弘風館35番教室

めまぐるしく変化する社会において今、アートがどのような関わりをもちうるのか?

自立的存在としてのアートを超え、多用な人々が存在する社会にどのように関わりうるか?

本講義では、2006年にカトリーヌ・グルー氏が手がけたイタリア・ボルツァーノでのパブリック・アートプログラム「Con/Sens」の

事例を中心に社会と関わるアートの実践例を紹介しつつ、アートと社会の現在的地平について概観します。

■カトリーヌ・グルー略歴

美術史家・美術批評家。リール建築工科大学教授。

エコール・デュ・ルーブルで美術史を専攻し、96年、社会科学高等研究院(EHESS)に提出の論文「風景のフォトジェニー」で博士号を取得。現象学などの哲学的知見を下敷きに、現代アートと都市あるいはランドスケープといった諸問題をめぐって、骨太のクリティックを展開。作品制作がもたらす〈場〉の生成/変様という点に注目し、パブリック・アートの現代的位相を問うている。フランスのみならず各国の美術雑誌への寄稿や国際シンポジウムの参加などを精力的にこなすほか、アンガン=レ=バン(フランス)のビエンナーレのコミッショナー(94年)、ボルツァーノ(イタリア)《Don/Sens》(2006年)など、近年ではキュレーションの仕事も多く手掛ける。

94~95年の京都のヴィラ九条山での滞在以来、日本とも縁が深い。97年にはTNプローブでのシンポジウム「再発見される風景」の企画に携わったほか、墨田区京島でのプロジェクト「アーティスト・イン・空き家」(2002年10~11月)のキュレーターを務める。

著書に『都市空間の芸術』(鹿島出版会、1997年)『再発見される風景』(TNプローブ出版、1998年)など。

 

2010.3.22(月/祝)14:00 − 16:00

クシシュトフ・ヴォディチコ講演会

同志社大学今出川校地 明徳館1番教室

主催:同志社大学社会・芸術国際研究センター/同志社大学人文科学研究所/京都国立近代美術館

聴講無料・逐次通訳

講演会問い合わせ(越前)tel: 090−2837−4358 e-mail: techizen@mail.doshisha.ac.jp

同志社大学人文学研究所内に設置された「社会・芸術国際センター」は、2008年7月の発足以来「百時間フリー・トーク・シリーズ」と名付けまして、川俣正、ウィリアム・ケントリッジ、など数多くのアーティストの講演会、トークショーを開催してきました。本講演会は、同シリーズの一環として行なわれるものであると同時に、京都国立近代美術館で、来る3月24日から開催される展覧会「マイ・フェイバリット」のプロパガンダとして開催されるものです。

クシシュトフ・ヴォディチコは1943年ワルシャワ生まれ。1977年から北米に拠点を移し、1980年からはパブリック・プロジェクション(公の施設に映像を投影してメッセージを映し出す試み)を始め大きな社会的反響を得て来た現代美術の作家です。他にもホームレスのための手押し車《ホームレス・ヴィークル》や移民のための杖《エイリアン・スタッフ》など、その作品は常に意識的であれ無意識的であれ、抑圧する側とされる側の間にある壁を討論によって解消しようとする試みであると要約できます。

昨年(2009年)ヴェネツィア・ビエンナーレのポーランド館で発表され、好評を博した窓をモチーフにした作品《ゲスト》もこうした問題がテーマとされていました。そしてこの度、京都国立近代美術館に収蔵され、展示される作品《If You See Something…》も、この《ゲスト》と同じタイプの作品です。「ヒロシマ賞受賞記念展」の開催(1999)、「京都アーティスト・サミット」への参加(2007,2009)等、日本でもすでに紹介され高い評価を得て来た作家ですが、自らが設営に立ち会う本格的な展示としては、今回の展覧会がほぼ10年ぶりのこととなります。この度の講演会は、そこに込めるアーティストの思いとメッセージを直に聞くことができる機会を提供するものとなります。

■クシシュトフ・ヴォディチコ(Krzysztof Wodiczko)略歴

1943年 ワルシャワ生まれ

1977年 カナダ、トロントに移住(1983年よりニューヨークへ移住)

1980年 《パブリック・プロジェクション》開始

1987年 《ホームレス・ヴィークル》発表

1992年 《エイリアン・スタッフ》発表

     マサチューセッツ工科大学准教授(97年より同教授、先端視覚研究所所長)

1999年 ヒロシマ賞受賞記念展開催

2007年 第2回京都アーティスト・サミット、パネリスト参加(2009年 同サミット特別講演)

2009年 第62回ヴェネツィア・ビエンナーレ、ポーランド代表

 

2010.3.24(水) - 5.5日(水・祝)

展覧会「マイ・フェイバリット――とある美術の検索目録/所蔵作品から」

京都国立近代美術館

 

2010.1

コミュニティ・アート・フェスティバル3連続研究会

―文化庁『地域文化芸術振興プラン』-京都式・国民文化祭大解剖!―

学生のまち京都の大学生による文化政策リサーチ&情報発信事業

■企画趣旨

京都で平成23年に国民文化祭が開催されます。京都で芸術文化活動にたずさわる人には、おおきなチャンスとなるイベントです。これを一つのきっかけとして活動を飛躍させるにはどうすればよいか。コミュニティ・アートの第一線で活躍し芸術文化事業の最前線に精通した講師陣とともに、これからの活動の新戦略を一緒に考えていきます。

■参加対象

アートやアート・プロジェクト、地域での芸術活動に関心のある方

■参加費

無料

■会場

同志社大学 でまち家(上京区寺町今出川下ル)

■お申し込み・お問い合わせ

アート・コミュニケーション・デザイン

e-mail: ctc50s50@m09.alpha-net.ne.jp

主催:文化庁、第26回国民文化祭京都府実行委員会、アート・コミュニケーション・デザイン、同志社大学 社会・芸術国際研究センター

 

2010.1.16(土) 13:00 - 15:00

講座1「天若湖アートプロジェクト/風景とコミュニケーション」

講師:下村泰史(京都造形芸術大学准教授)

略歴:1964年生まれ。2歳のとき「おはなはん」の天才子役として芸能界にデビューするも、その後造園学を志し、東京大学にて緑地計画学を修め、1990年都市設計、緑地計画の実務に従事。2001年より京都造形芸術大学にて、都市デザイン、ランドスケープデザインの教育、研究にあたる。桂川流域ネットワーク、天若湖アートプロジェクト、NPO法人アート・プランまぜまぜ、NPO法人森林再生支援センター等の市民グループに関わり、ファシリテータとして多様な声の中から立ち現れる風景を構想している。現在、ポエトリー・リーディング、ホーメイといった試みを通じて、自身の声をも拡張中。

 

2010.1.23(土)13:00 - 15:00

講座2「アート・プロジェクトの現場大解剖」

講師:芹沢高志(P3 art and environment エグゼクティブ・ディレクター)

略歴:1951年東京生まれ。89年、P3 art and nvironmentを設立。以後、現代美術、環境計画を中心に、数多くのプロジェクトを展開している。帯広競馬場で開かれた国際現代美術展『デメーテル』の総合ディレクター(2002年)。横浜トリエンナーレ2005キュレーター。アサヒ・アート・フェスティバル事務局長(2002年~)。別府現代芸術フェスティバル2009『混浴温泉世界』総合ディレクター。著書に『この惑星を遊動する』(岩波書店)、『月面からの眺め』(毎日新聞社)、訳書にバックミンスター・フラー『宇宙船地球号操縦マニュアル』(ちくま学芸文庫)など。

 

2010.1.30(土)13:00 - 15:00

講座3「地域をいきいきさせる芸術文化政策のススメ」

講師:寺脇研(元文化庁、京都造形芸術大学教授)

略歴:1952年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。文部省入省、2006年退官。在職中から日本映画評論家として活躍。京都造形芸術大学教授、日本映画映像文化振興センター副理 事長。著書「何処へ向かう教育改革」「格差時代を生き抜く教育」「韓国映画ベスト100」など多数。京都文化塾ぷろだくしょん塾長、FM放送京都山上ラジオカフェ「京都寺子屋文化塾」パーソナリティー、東京ではカタリバ大学学長。

 

2009.11.13(火) 10:45 -

学生交流・講演会

 川俣「ゼミ」がやってきた

同志社大学 今出川キャンパス 至誠館S3教室

入場無料・一般来聴歓迎

「第1時間目」 10:45 -

11人のパリ国立エコール・デ・ボザール学生(川俣ゼミ所属)が、2日間京都をフィールドワークした成果を同志社大学のゼミで発表

「第2時間目」 13:00 -

 川俣正のレクチャー

 

2009.9.1(火) 13:00 - 18:00

研究セミナー・講演会

第一回 芸術・思想国際研究セミナー

同志社大学 今出川キャンパス クラーク記念館2階 23, 24番教室

主催:同志社大学社会・芸術国際研究センター 共催:ドイツ観念論研究会/アジア藝術学会

第一部 研究セミナ-(分科会)13:00 - 15:40

ドイツ観念論研究会 2009年夏季研究発表会 アジア藝術学会 2009年国内大会

第二部 講演会 16:00 - 18:00

百時間フリー・トーク・シリーズ「すべての人は芸術家」Part.6

 ジャン=リュック・ベルムート(パリ国立高等芸術院教授)

 

2009.7.27(月) 17:00 - 19:00

子どもアート講座2009 研究会「日本チルドレンズ・ミュージアム学会設立の可能性について」

同志社大学 でまち家(上京区寺町今出川下ル)

講師:目黒実(九州大学大学院 総合新領域学府 特任教授)

(コーディネーター:岡林洋/アシスタント:笠原広一)

 

2009.6.2(火) 15:00 - 16:30

アーティスト公開講義 百時間フリー・トーク・シリーズ「すべての人が芸術家」Part.5

同志社大学 京田辺キャンパス 知真館2-204教室 

今回は、現代アートユニットのwah(ワウ)のお二人、南川憲二、増井宏文をお招きし、アーティスト・イン・レジデンスの成果発表をして頂きます。この企画は公開講義の形で行われ、本来の「美学概論」の受講者以外の方々にも開放します。

今回は東京浅草での「アーティスト・イン・レジデンス」の成果を中心に、新潟や京都で行われた、私たちの日常生活にアートの窓を開ける楽しい試みを紹介して頂きます。

wah blog http://fine.ap.teacup.com/wah-blog/

 

 2009.4

アーティスト・イン・レジレンス

今年度よりICSA社会芸術関係者滞在機構の事業が始まりました。

 年1、2名の海外アーティストを選び、東京での「アーティスト・イン・レジデンス」の後、京都で成果を発表します。